2021年03月15日

歴史は繰り返す

読み終えました。

IMG_1338.JPG

 速水融『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウイルスの第一次世界戦争
表紙の絵は当時のもののようで、
<汽車電車 人の中ではマスクせよ 外出の後はウガヒ忘るな>
とある。

1918年(大正7年)春にアメリカで新型インフルエンザの患者が出たのが最初の記録で、発生源は米国らしい。
当時はヨーロッパ西部戦線のため、兵士間で感染拡大、世界中にばらまかれ、第一次世界大戦の4倍(4000万人)、日本国内では関東大震災の5倍近く(45万人)の人命を奪った。
にもかかわらず、アメリカですら当時の資料をまとめていなくて、とある学者が、人口が極端に少ない年代の存在に気が付いて調べてみたら、新型インフルエンザのせいだったと判明するという始末(災禍が記憶と記録に残らないのは、新型インフルエンザで世界的な有名人が亡くなっていないから、というのは的を射ている気がする)。
当然ながら日本にもちゃんとした資料も書籍もなし。
この『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』がお初の本です。

大正7(1918)年秋~大正8(1919)年春にかけての「前流行」(罹患率が高く、死亡率は低い)
大正8(1919)年暮~大正9(1920)年春にかけての「後流行」(罹患率が低いが死亡率は高い)
日本国内でどのように感染していったのかがよく分かる……そして、現在の新型コロナウイルス禍とそっくりな展開に、歴史は繰り返すのを実感。

<日本はスペイン・インフルエンザの災禍からほとんど何も学ばず、あたら45万人の生命を無駄にした。「天災」のように将来やって来る新型インフルエンザや疫病の大流行に際しては、医学上はもちろん、嵐のもとでの市民生活の維持に、何が最も不可欠かを見定めることが何より必要である。
(中略)
過去の被害を知り、人々がその時の「新型インフルエンザ・ウイルス」にどう対したかを知ることから始めなければならない。なぜなら、人類とウイルス、とくにインフルエンザ・ウイルスとの戦いは両者が存在する限り、永久に繰り返されるからである。>

……という文章が、2006年に書かれていたのですね。
書かれていても、読んでいなければどうしようもない。わたくしも読んでいなかった。
政府関係者の誰も読んでいないのだろうな。
大正時代に与謝野晶子が、新型インフルエンザ流行中の政府の無策にブチ切れ、新聞に怒りの文章を書いているけど、これがまた今現在とそっくりで驚く。

ラベル:読書
posted by tack at 23:34| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください